①メリット
(1)遺言者の意思を実現できる
遺言者の願い、感謝の気持ち、財産の細かな分配についても記載できる
例えば、
兄弟みんなでお母さんを支えてほしい
長男には、家業をしっかりと継いでほしい
身の回りの世話をしてくれてありがとう
生活を守るため、妻に自宅を残したい
孫がいる次男に現金を多く残したい
(2)遺産相続でトラブルの防止になる
遺言者の意思が明確になるので、遺産の分配で争いを避けられる
例えば、
遺産分割協議が不要になるので相続人が集まって話し合いをする必要がない
財産の細かな分配を指定できるので財産の取り合いを避けられる
(3)相続発生の時に相続手続がスムーズである
遺産分割協議が不要、登記、金融機関などの手続きがスムーズ
例えば、
遺産分割協議が不要になるので相続人が集まって話し合いをする必要がない
遺産分割協議書を作成する必要がない
不動産の名義変更(相続登記)で法務局に提出する書類が少なくなる
金融機関の預貯金の手続きで提出する書類が少なくなる場合がある
(4)特定の相続人に特定の財産を譲ることができる
家業を継ぐ長男のために店舗を残すことができる
例えば、
家業を継ぐ長男に、経営していた会社の株式、事業用の店舗・事務所・工場・自動車・機械・道具など事業専用の資産をまとめて相続させられるので、事業用資産の分散を防ぎ、安定した事業継続が望める
相続財産の取り合いなど揉め事が起きそうな場合、自宅だけは妻に残すと指定することにより、自宅の売却を防止し、その後の妻の生活を守ることができる
(5)法定相続人以外に財産を残せる
内縁の配偶者、子の配偶者などに財産を残せる
例えば、
未入籍の妻に自宅や生活費を残すことができる
留学予定の孫にその費用を残すことができる
面倒をみてくれた長男の嫁に現金を残すことができる
お世話になった友人や親戚に財産を残すことができる
認知していない子に財産を残すことができる
②デメリット
(1)あまりにも不公平な遺言の内容でトラブルになる
他の相続人から遺留分減殺請求を受ける
(2)遺言の方式が難しい
法律で決められた方法により遺言を書かなくてはならないので難しい
(3)遺言の種類によっては費用がかかる
公正証書遺言や秘密証書遺言は、公証役場に支払う費用が発生する
遺留分とは
遺言での財産処分は原則として遺言者の自由です。
しかし、遺言者がすべての財産を他人に譲渡してしまえば、残された配偶者や子供はその権利が守られません。そこで法定相続人である配偶者や子供には、最低限の権利を守るという趣旨で、最低限相続できる割合を法律で定めています。これを遺留分といいます。遺留分を侵害された配偶者や子は、その取戻しの請求(遺留分減殺請求)をすることができます。
ただし法定相続人が兄弟姉妹の場合は、遺留分はありません。例えば、相続人が配偶者と兄弟姉妹の場合は、すべての財産を配偶者に相続させることが可能となります。
当事務所では、法律で決められた遺言の方式に従い、また遺留分などを考慮し、それぞれのご家族の事情にあった遺言作成をサポートいたします。